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2026年のシャンパーニュ、実は記録的な夏の影響を受けています

最近、フランスから気になるニュースが届きました。 シャンパーニュ地方が記録的な熱波と干ばつに見舞われていて、今年の収穫にかなり影響が出そうだという話です。 ワイン好きなら知っておいて損はない内容だと思うので、ソムリエ目線でまとめてみますね。 そもそも、シャンパーニュってどう作られているの? 本題に入る前に、少しだけ基本のおさらいをさせてください。 シャンパーニュは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で、決められた製法(瓶内二次発酵)で造られたスパークリングワインだけに与えられる呼び名です。 同じ製法でも産地が違えば、「クレマン」や「スプマンテ」といった別の名前になります。 畑でブドウを育てるところから瓶詰めされたワインが出荷されるまで、実は最短でも数年かかる、とても時間のかかるお酒なんです。 だからこそ、今年のような気候の出来事が、何年も先の味わいにじわじわと影響してくるんですよね。 フランスを襲った、観測史上最も暑い夏 フランスでは今年5月以降、大規模な熱波が3回発生しました。 特に6月24日は全国平均気温が30.0℃に達し、観測史上もっとも暑い日を記録したそうです。 シャンパーニュ地方をはじめ、ブルゴーニュやボルドーといった主要な産地でも、畑の水分がかなり厳しい状態に。 ブドウの生育が例年より早まる一方、実の肥大が追いつかず、房そのものが小さくなっているといいます。 収量は約10%減の見込み、収穫は史上最速ペース シャンパーニュ生産者組合の会長を務めるマキシム・トゥバール氏によると、今年の収量は前年より約10%少なくなる見込みとのことです。 収穫の開始時期も、例年より1ヶ月ほど早い8月中旬になりそうで、これは同地方の歴史上もっとも早いペースなんだそうです。 「畑を見ていると、可能性が太陽の下でどんどん溶けていくのがわかる」というブルゴーニュの生産者団体トップのコメントも紹介されていて、現地の危機感が伝わってきます。 品質への影響は?──リザーブワインという仕組み 「収量が減る=品質が落ちる」と思われがちですが、実はそう単純ではありません。 シャンパーニュには、複数年のワインをブレンドして毎年同じ味わいを保つ「リザーブワイン」という仕組みがあります。 今年のように収穫量が少ない年でも、蔵に眠る過去のヴィンテージを使うことで、最終的な生産量への影響はある程度抑えられる見通しです。 ただし、猛暑と乾燥はブドウの糖度やアルコール度数に変化を与えることが多く、今年ならではの味わいの個性は出てくるかもしれません。 糖度が上がれば果実味は豊かになりやすい一方、酸味は落ち着きやすくなるので、シャンパーニュらしいシャープさとのバランスをどう取るかが、造り手の腕の見せどころになりそうです。 「量が減る年」だからこそ面白い ワインの世界では、収穫量が少なかった年のヴィンテージが、後になって特別な存在として語られることがよくあります。 もちろん今年のシャンパーニュが実際にボトルとして店頭に並ぶのは、まだ何年も先の話です。 熟成を経てグラスに注がれる頃には、今年の夏の記録的な暑さも、「あの年」を語るひとつのエピソードになっているはずです。 気長に、その日を楽しみにしておきたいですね。 こんな時こそ、泡の世界を広げてみませんか...

2026年のシャンパーニュ、実は記録的な夏の影響を受けています

最近、フランスから気になるニュースが届きました。 シャンパーニュ地方が記録的な熱波と干ばつに見舞われていて、今年の収穫にかなり影響が出そうだという話です。 ワイン好きなら知っておいて損はない内容だと思うので、ソムリエ目線でまとめてみますね。 そもそも、シャンパーニュってどう作られているの? 本題に入る前に、少しだけ基本のおさらいをさせてください。 シャンパーニュは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で、決められた製法(瓶内二次発酵)で造られたスパークリングワインだけに与えられる呼び名です。 同じ製法でも産地が違えば、「クレマン」や「スプマンテ」といった別の名前になります。 畑でブドウを育てるところから瓶詰めされたワインが出荷されるまで、実は最短でも数年かかる、とても時間のかかるお酒なんです。 だからこそ、今年のような気候の出来事が、何年も先の味わいにじわじわと影響してくるんですよね。 フランスを襲った、観測史上最も暑い夏 フランスでは今年5月以降、大規模な熱波が3回発生しました。 特に6月24日は全国平均気温が30.0℃に達し、観測史上もっとも暑い日を記録したそうです。 シャンパーニュ地方をはじめ、ブルゴーニュやボルドーといった主要な産地でも、畑の水分がかなり厳しい状態に。 ブドウの生育が例年より早まる一方、実の肥大が追いつかず、房そのものが小さくなっているといいます。 収量は約10%減の見込み、収穫は史上最速ペース シャンパーニュ生産者組合の会長を務めるマキシム・トゥバール氏によると、今年の収量は前年より約10%少なくなる見込みとのことです。 収穫の開始時期も、例年より1ヶ月ほど早い8月中旬になりそうで、これは同地方の歴史上もっとも早いペースなんだそうです。 「畑を見ていると、可能性が太陽の下でどんどん溶けていくのがわかる」というブルゴーニュの生産者団体トップのコメントも紹介されていて、現地の危機感が伝わってきます。 品質への影響は?──リザーブワインという仕組み 「収量が減る=品質が落ちる」と思われがちですが、実はそう単純ではありません。 シャンパーニュには、複数年のワインをブレンドして毎年同じ味わいを保つ「リザーブワイン」という仕組みがあります。 今年のように収穫量が少ない年でも、蔵に眠る過去のヴィンテージを使うことで、最終的な生産量への影響はある程度抑えられる見通しです。 ただし、猛暑と乾燥はブドウの糖度やアルコール度数に変化を与えることが多く、今年ならではの味わいの個性は出てくるかもしれません。 糖度が上がれば果実味は豊かになりやすい一方、酸味は落ち着きやすくなるので、シャンパーニュらしいシャープさとのバランスをどう取るかが、造り手の腕の見せどころになりそうです。 「量が減る年」だからこそ面白い ワインの世界では、収穫量が少なかった年のヴィンテージが、後になって特別な存在として語られることがよくあります。 もちろん今年のシャンパーニュが実際にボトルとして店頭に並ぶのは、まだ何年も先の話です。 熟成を経てグラスに注がれる頃には、今年の夏の記録的な暑さも、「あの年」を語るひとつのエピソードになっているはずです。 気長に、その日を楽しみにしておきたいですね。 こんな時こそ、泡の世界を広げてみませんか...

「沖縄料理とイタリアワイン」ペアリングセミナー レポート

先日、いつもお世話になっている料理教室にて開催したワインセミナー「沖縄料理とイタリアワイン」の模様をレポートします。 「沖縄料理とイタリアワイン」——合わせること自体はできる。でも、どこまで精度を上げられるか、少し不安でした。私の半分は沖縄の血が流れています。謎の使命感が沸々と湧くことで今までの経験とひらめきにより導き出した組み合わせ。それを実際にワインと料理を合わせてみると、両者は驚くほど自然に共鳴してくれたんです。 沖縄料理には、豚肉文化、素材を活かしたシンプルな味付け、そして泡盛に代表される発酵の文化があります。一方イタリアも、地域ごとに「その土地の料理と一緒に育ってきたワイン」がある国。今回はエミリア・ロマーニャ、シチリア、プーリア、フリウリ、マルケ、トスカーナと、イタリアを縦断するように6つの産地のワインを選び、それぞれを沖縄料理と合わせました。 1本目|チンクエ・カンピ テルビアンク 2023 × 青パパイヤしりしり イタリア北部エミリア・ロマーニャ州、樹齢100年以上の古木トレッビアーノを使った自然派の微発泡ワイン。フィルターをかけない無添加製法で、淡い麦わら色にうっすら濁りが残るのが特徴です。 合わせたのは青パパイヤしりしり。素材の苦みとシャキシャキ感を活かした「引き算の料理」に、このワインの白出汁のようなじんわりとした旨みがよく合いました。一口目は控えめな印象でも、飲み込んだ後にゆっくりと旨みが広がる——上質なお吸い物に近い感覚です。 2本目|グルフィ ヴァルカンツィリア 2024 × もずく天ぷら 舞台はシチリア島。標高420メートルの丘で育つ土着品種カリカンテとシャルドネのブレンドで、昼夜の寒暖差が生む上品な酸とミネラル感が持ち味です。 合わせたのは、沖縄産もずくの天ぷら。ワインのミネラル感と磯の塩味が「海のニュアンス」でつながり、きれいな酸が天ぷらの油をすっきり流してくれます。「天ぷらにはビールよりワインが合う」という話をよくするのですが、まさにそれを実感できるペアリングでした。 3本目|ファタローネ プリミティーヴォ・ロゼ テレス 2024 × タコライス プーリア州から、プリミティーヴォの「ラチェーミ」と呼ばれる二番果だけを使った希少なロゼ。プレスせず自重で流れ落ちるフリーラン果汁のみを使う、とても手間のかかる一本です。 1980年代沖縄県で生まれたタコライスと合わせました。タンニンが穏やかなロゼはスパイシーなチリミートと喧嘩しないし、白ワインよりボディがあるので肉のボリューム感にもちゃんと寄り添える。果実味がチリの辛みをやさしく包んでくれました。 この組み合わせは参加者の皆さんからの反応が特に良く、当日いちばん盛り上がったペアリングのひとつになりました。 4本目|プリモシッチ ピノ・グリージョ オレンジワイン 2023...

「沖縄料理とイタリアワイン」ペアリングセミナー レポート

先日、いつもお世話になっている料理教室にて開催したワインセミナー「沖縄料理とイタリアワイン」の模様をレポートします。 「沖縄料理とイタリアワイン」——合わせること自体はできる。でも、どこまで精度を上げられるか、少し不安でした。私の半分は沖縄の血が流れています。謎の使命感が沸々と湧くことで今までの経験とひらめきにより導き出した組み合わせ。それを実際にワインと料理を合わせてみると、両者は驚くほど自然に共鳴してくれたんです。 沖縄料理には、豚肉文化、素材を活かしたシンプルな味付け、そして泡盛に代表される発酵の文化があります。一方イタリアも、地域ごとに「その土地の料理と一緒に育ってきたワイン」がある国。今回はエミリア・ロマーニャ、シチリア、プーリア、フリウリ、マルケ、トスカーナと、イタリアを縦断するように6つの産地のワインを選び、それぞれを沖縄料理と合わせました。 1本目|チンクエ・カンピ テルビアンク 2023 × 青パパイヤしりしり イタリア北部エミリア・ロマーニャ州、樹齢100年以上の古木トレッビアーノを使った自然派の微発泡ワイン。フィルターをかけない無添加製法で、淡い麦わら色にうっすら濁りが残るのが特徴です。 合わせたのは青パパイヤしりしり。素材の苦みとシャキシャキ感を活かした「引き算の料理」に、このワインの白出汁のようなじんわりとした旨みがよく合いました。一口目は控えめな印象でも、飲み込んだ後にゆっくりと旨みが広がる——上質なお吸い物に近い感覚です。 2本目|グルフィ ヴァルカンツィリア 2024 × もずく天ぷら 舞台はシチリア島。標高420メートルの丘で育つ土着品種カリカンテとシャルドネのブレンドで、昼夜の寒暖差が生む上品な酸とミネラル感が持ち味です。 合わせたのは、沖縄産もずくの天ぷら。ワインのミネラル感と磯の塩味が「海のニュアンス」でつながり、きれいな酸が天ぷらの油をすっきり流してくれます。「天ぷらにはビールよりワインが合う」という話をよくするのですが、まさにそれを実感できるペアリングでした。 3本目|ファタローネ プリミティーヴォ・ロゼ テレス 2024 × タコライス プーリア州から、プリミティーヴォの「ラチェーミ」と呼ばれる二番果だけを使った希少なロゼ。プレスせず自重で流れ落ちるフリーラン果汁のみを使う、とても手間のかかる一本です。 1980年代沖縄県で生まれたタコライスと合わせました。タンニンが穏やかなロゼはスパイシーなチリミートと喧嘩しないし、白ワインよりボディがあるので肉のボリューム感にもちゃんと寄り添える。果実味がチリの辛みをやさしく包んでくれました。 この組み合わせは参加者の皆さんからの反応が特に良く、当日いちばん盛り上がったペアリングのひとつになりました。 4本目|プリモシッチ ピノ・グリージョ オレンジワイン 2023...

ワイン選びが上手い人は、知識がある人じゃない

何本飲んでも、好きなワインが言えない理由 ワインを飲んだ瞬間は「美味しい」「なんか違う」って、ちゃんとわかる。でも次の日には忘れている。ラベルも捨てた。名前も覚えていない。 レストランで「これ美味しいですね」と言われても、「えーっと、確か赤で、イタリアの……」としか答えられない。家族や友人にお土産でワインを買いたいときも、「前に飲んで美味しかったやつ」が思い出せず、結局なんとなく選んでしまう。 だからまた同じことを繰り返してしまう。ワイン売り場で迷って、なんとなく手に取って、なんとなく飲んで、また忘れる——。 これ、実はあなたのせいではありません。ソムリエとして長年、たくさんのお客様を見てきてわかったことがあります。ワイン選びが上手い人は、知識がある人ではなく、自分が飲んだ記録がある人なのです。 知識から入ろうとすると、ブドウ品種・産地・格付け・ヴィンテージと覚えることが多すぎて、途中で挫折してしまいます。実は順番が逆なんです。まず自分の好みを知ること。そこから知識が初めて意味を持ち始めます。 やることはシンプル、一言だけでいい 難しいテイスティング用語を覚える必要はありません。やることはとてもシンプルです。 飲み終わった後に、一言だけ残してみてください。 「渋かった」 「スッキリしてた」 「重かった」 「酸っぱかった」 「甘みを感じた」 「飲みやすかった」 これだけでいい。写真でも、メモアプリでも、手書きのメモでも、なんでも構いません。大事なのは「完璧な記録」ではなく「続けられる記録」です。 例えば、ワインのラベルをスマホで撮影して、メモアプリにその一言を添えるだけでも十分です。「美味しかった」だけで終わらせず、どんな美味しさだったかを一言加える。それだけで、半年後に見返したときの情報量が全く違います。 記録する際のちょっとしたコツ その場で記録する:後で書こうと思うと忘れてしまいます。グラスを置いた瞬間にメモするのが一番正確です 比較で書く:「前に飲んだ赤よりも渋い」のように、過去の記憶と比べて書くと、自分の感覚の軸が育ちやすくなります 料理との組み合わせもメモ:「鍋に合わせたら良かった」のような一言があると、次回のシーン選びに役立ちます 10本分の記録が教えてくれること その一言が10本分貯まったとき、初めて見えてくるものがあります。 「自分はタンニンが苦手なんだ」 「酸味があるほうが好きなんだ」 「重めのボディよりライトな赤の方が好きみたい」 そこで初めて、産地も品種も格付けも、意味を持ち始めます。「あれ、自分が好きだと思っていたワインはどれもピエモンテ産だ」「果実味が強いタイプばかり選んでいる」——記録があるからこそ、こうした自分だけの傾向に気づくことができるのです。 逆に言うと、その積み重ねなしにラベルだけを読んでも、一生「なんとなく選ぶ」から抜け出すことはできません。DOCGという格付けを知っていても、それが自分の好みと一致するかどうかは、結局飲んでみないとわからない。知識は記録の後からついてくるものなのです。 次の一本より、今の一本を 美味しいワインに出会いたいなら、次に買う一本のことよりも、今あなたが飲んでいる一本をちゃんと感じてみてください。その小さな積み重ねが、あなただけのワイン選びの羅針盤になります。...

ワイン選びが上手い人は、知識がある人じゃない

何本飲んでも、好きなワインが言えない理由 ワインを飲んだ瞬間は「美味しい」「なんか違う」って、ちゃんとわかる。でも次の日には忘れている。ラベルも捨てた。名前も覚えていない。 レストランで「これ美味しいですね」と言われても、「えーっと、確か赤で、イタリアの……」としか答えられない。家族や友人にお土産でワインを買いたいときも、「前に飲んで美味しかったやつ」が思い出せず、結局なんとなく選んでしまう。 だからまた同じことを繰り返してしまう。ワイン売り場で迷って、なんとなく手に取って、なんとなく飲んで、また忘れる——。 これ、実はあなたのせいではありません。ソムリエとして長年、たくさんのお客様を見てきてわかったことがあります。ワイン選びが上手い人は、知識がある人ではなく、自分が飲んだ記録がある人なのです。 知識から入ろうとすると、ブドウ品種・産地・格付け・ヴィンテージと覚えることが多すぎて、途中で挫折してしまいます。実は順番が逆なんです。まず自分の好みを知ること。そこから知識が初めて意味を持ち始めます。 やることはシンプル、一言だけでいい 難しいテイスティング用語を覚える必要はありません。やることはとてもシンプルです。 飲み終わった後に、一言だけ残してみてください。 「渋かった」 「スッキリしてた」 「重かった」 「酸っぱかった」 「甘みを感じた」 「飲みやすかった」 これだけでいい。写真でも、メモアプリでも、手書きのメモでも、なんでも構いません。大事なのは「完璧な記録」ではなく「続けられる記録」です。 例えば、ワインのラベルをスマホで撮影して、メモアプリにその一言を添えるだけでも十分です。「美味しかった」だけで終わらせず、どんな美味しさだったかを一言加える。それだけで、半年後に見返したときの情報量が全く違います。 記録する際のちょっとしたコツ その場で記録する:後で書こうと思うと忘れてしまいます。グラスを置いた瞬間にメモするのが一番正確です 比較で書く:「前に飲んだ赤よりも渋い」のように、過去の記憶と比べて書くと、自分の感覚の軸が育ちやすくなります 料理との組み合わせもメモ:「鍋に合わせたら良かった」のような一言があると、次回のシーン選びに役立ちます 10本分の記録が教えてくれること その一言が10本分貯まったとき、初めて見えてくるものがあります。 「自分はタンニンが苦手なんだ」 「酸味があるほうが好きなんだ」 「重めのボディよりライトな赤の方が好きみたい」 そこで初めて、産地も品種も格付けも、意味を持ち始めます。「あれ、自分が好きだと思っていたワインはどれもピエモンテ産だ」「果実味が強いタイプばかり選んでいる」——記録があるからこそ、こうした自分だけの傾向に気づくことができるのです。 逆に言うと、その積み重ねなしにラベルだけを読んでも、一生「なんとなく選ぶ」から抜け出すことはできません。DOCGという格付けを知っていても、それが自分の好みと一致するかどうかは、結局飲んでみないとわからない。知識は記録の後からついてくるものなのです。 次の一本より、今の一本を 美味しいワインに出会いたいなら、次に買う一本のことよりも、今あなたが飲んでいる一本をちゃんと感じてみてください。その小さな積み重ねが、あなただけのワイン選びの羅針盤になります。...

赤ワインが体にいい理由——科学が証明した健康効果と適切な飲み方

「ワインって体に悪いんでしょ?」 そう思っている方、ちょっと待ってください。科学はまったく逆のことを言っているんです。 ソムリエとして17年間、年間1000本以上のワインと向き合ってきた僕が、赤ワインと健康の関係を正直に解説します。 フレンチパラドックスとは? フランス人は脂肪分の多い食事を好む傾向があるにもかかわらず、心臓病が比較的少ないとされています——。 この謎は「フレンチパラドックス」と呼ばれ、1990年代から世界中の研究者が注目してきました。脂肪分の多い食事を摂りながらも心臓疾患のリスクが低いフランス人の食生活を調べたところ、毎日の食事に赤ワインが欠かせないという共通点が浮かび上がってきたのです。 その鍵として注目されたのが、赤ワインに豊富に含まれる「ポリフェノール」という成分です。 なぜ赤ワインにポリフェノールが多いのか 白ワインではなく、赤ワインが注目される理由は醸造の方法にあります。 赤ワインはブドウを果皮ごと一緒に漬け込んで発酵させます。ポリフェノールのほとんどはブドウの果皮や種に含まれているため、果汁だけを使って発酵させる白ワインと比べて、数倍の量が抽出されるのです。 ポリフェノールの中でも特に注目されているのが「レスベラトロール」。ブドウの果皮に多く含まれる抗酸化成分で、複数の研究でその働きが報告されています。 研究が示していること 複数の研究で、適量の赤ワイン摂取が心血管疾患のリスクを下げる可能性が示されています 2016年の『Science』誌に掲載された研究では、ワインが腸内細菌叢の多様性に貢献する可能性が報告されています ただし、これらはあくまで「可能性」の話。過剰な期待は禁物ですが、適量であれば健康的な食生活の一部として楽しめるという研究結果が積み重なっているのは事実です。 世界の長寿地域「ブルーゾーン」とワイン 世界には「ブルーゾーン」と呼ばれる長寿地域が存在します。その一つが、イタリアのサルデーニャ島。 サルデーニャ島は100歳以上の人口比率が世界トップクラスで知られており、世界中の疫学者や栄養学者が調査に訪れています。この島の人たちの食生活を調べると、共通しているのが毎日の食事にワインを欠かさないという文化。もちろんワインだけが長寿の理由ではありませんが、地中海式の食生活とワインの組み合わせが注目されています。 大切なのは「適量」という概念 ここまで読んで「じゃあ毎日たくさん飲めばいいんだ!」と思った方、それは大きな誤解です。 研究で示されている効果はすべて「適量」に限った話。飲酒量と健康リスクの関係はJ字型またはU字型のカーブを描くことが知られており、適量では恩恵があっても、飲みすぎると逆にリスクが上昇します。 研究での適量の目安 1日グラス1〜2杯(120〜150ml程度) これを守れば、食事と一緒に赤ワインを楽しむことは、健康的なライフスタイルの一部になり得ます。 ソムリエが考える「最良の飲み方」 17年間ソムリエとして活動してきた僕が思う、一番体にも心にもいいワインの飲み方はシンプルです。 良いワインを、適量、食事と一緒に。 これだけです。数字や成分に縛られすぎず、食卓での会話や料理との調和を楽しむ——それがワインの本来の姿だと思っています。 Vino dell'Amicoでは、僕が年間1000本以上試飲して厳選した、食卓に寄り添うイタリアワインを取り扱っています。ぜひ一度チェックしてみてください。...

赤ワインが体にいい理由——科学が証明した健康効果と適切な飲み方

「ワインって体に悪いんでしょ?」 そう思っている方、ちょっと待ってください。科学はまったく逆のことを言っているんです。 ソムリエとして17年間、年間1000本以上のワインと向き合ってきた僕が、赤ワインと健康の関係を正直に解説します。 フレンチパラドックスとは? フランス人は脂肪分の多い食事を好む傾向があるにもかかわらず、心臓病が比較的少ないとされています——。 この謎は「フレンチパラドックス」と呼ばれ、1990年代から世界中の研究者が注目してきました。脂肪分の多い食事を摂りながらも心臓疾患のリスクが低いフランス人の食生活を調べたところ、毎日の食事に赤ワインが欠かせないという共通点が浮かび上がってきたのです。 その鍵として注目されたのが、赤ワインに豊富に含まれる「ポリフェノール」という成分です。 なぜ赤ワインにポリフェノールが多いのか 白ワインではなく、赤ワインが注目される理由は醸造の方法にあります。 赤ワインはブドウを果皮ごと一緒に漬け込んで発酵させます。ポリフェノールのほとんどはブドウの果皮や種に含まれているため、果汁だけを使って発酵させる白ワインと比べて、数倍の量が抽出されるのです。 ポリフェノールの中でも特に注目されているのが「レスベラトロール」。ブドウの果皮に多く含まれる抗酸化成分で、複数の研究でその働きが報告されています。 研究が示していること 複数の研究で、適量の赤ワイン摂取が心血管疾患のリスクを下げる可能性が示されています 2016年の『Science』誌に掲載された研究では、ワインが腸内細菌叢の多様性に貢献する可能性が報告されています ただし、これらはあくまで「可能性」の話。過剰な期待は禁物ですが、適量であれば健康的な食生活の一部として楽しめるという研究結果が積み重なっているのは事実です。 世界の長寿地域「ブルーゾーン」とワイン 世界には「ブルーゾーン」と呼ばれる長寿地域が存在します。その一つが、イタリアのサルデーニャ島。 サルデーニャ島は100歳以上の人口比率が世界トップクラスで知られており、世界中の疫学者や栄養学者が調査に訪れています。この島の人たちの食生活を調べると、共通しているのが毎日の食事にワインを欠かさないという文化。もちろんワインだけが長寿の理由ではありませんが、地中海式の食生活とワインの組み合わせが注目されています。 大切なのは「適量」という概念 ここまで読んで「じゃあ毎日たくさん飲めばいいんだ!」と思った方、それは大きな誤解です。 研究で示されている効果はすべて「適量」に限った話。飲酒量と健康リスクの関係はJ字型またはU字型のカーブを描くことが知られており、適量では恩恵があっても、飲みすぎると逆にリスクが上昇します。 研究での適量の目安 1日グラス1〜2杯(120〜150ml程度) これを守れば、食事と一緒に赤ワインを楽しむことは、健康的なライフスタイルの一部になり得ます。 ソムリエが考える「最良の飲み方」 17年間ソムリエとして活動してきた僕が思う、一番体にも心にもいいワインの飲み方はシンプルです。 良いワインを、適量、食事と一緒に。 これだけです。数字や成分に縛られすぎず、食卓での会話や料理との調和を楽しむ——それがワインの本来の姿だと思っています。 Vino dell'Amicoでは、僕が年間1000本以上試飲して厳選した、食卓に寄り添うイタリアワインを取り扱っています。ぜひ一度チェックしてみてください。...

「DOCGだから美味しい」は誤解?ソムリエが教えるイタリアワインの真実

「DOCGだから美味しいはず」と思って買ったワイン、正直ガッカリしたことありませんか? 実はこれ、ワイン選びで最もよくある誤解のひとつです。ソムリエ歴17年、年間1000本以上試飲してきた僕が、その真実をお話しします。 DOCGとは何か? DOCG(統制保証原産地呼称)はイタリアワインの最高格付けです。使えるブドウ品種、1ヘクタールあたりの収穫量、最低熟成期間——これらすべてをイタリア政府が法律で定め、厳格に審査した上で与えられます。 だから「品質の最低基準は保証されている」は本当のこと。でも、ここが落とし穴なんです。 DOCGは「品質の保証書」であって、「味の保証書」ではない。 同じDOCGでも、なぜこんなに違う? 同じキャンティ・クラッシコDOCGでも、2,000円台のものから1万円を超えるものまで存在します。同じ格付けでも、生産者の哲学・醸造設備・畑の管理方法で味わいはまったく別物になる。 まるで同じ名門大学を卒業しても、その後の人生で個性が分かれるのと一緒ですよね。 スーパータスカンが証明した「格付けが全てじゃない」という真実 僕が一番衝撃を受けたのが「スーパータスカン」の存在です。 サッシカイアやオルネッライアといったワインは、DOCGの規定外のブドウ品種(カベルネ・ソーヴィニヨンなど)を使ったため、当初の格付けはDOCGより3段階下の最低ランク、Vino da Tavola(テーブルワイン)でした。 それでも世界中のソムリエが「これが最高のイタリアワインだ」と認め、世界の名だたるワインを抑えました。格付けが低くても、世界の名だたるワインを抑えることができる——これがワインの面白さです。 ソムリエが教える賢いワインの選び方 じゃあ、どうやって選べばいいのか。17年間で学んだ答えはシンプルです。 ① 美味しいと思ったワインの生産者名を必ず控える 格付けより、自分が実際に感動した造り手を信頼する。これが最も確実な方法です。 ② その生産者の別のワインを試してみる 好きな造り手を見つけたら、その人が造る別のワインを試してみてください。同じ情熱と哲学で造られたワインは、きっとあなたの舌に合うはずです。 DOCGかどうかより、自分の舌を信じて好きな造り手を見つける方がずっと大事です。 🍷 あなた好みの一本を、ソムリエに任せてみませんか? 好きな造り手を見つける一番の近道は、プロに任せること。Vino dell'Amico店主・ソムリエ藤本が、あなたのために厳選したイタリアワインをお届けする「おまかせセット」をご用意しています。格付けではなく、本当に美味しいワインだけを詰め込みました。 ソムリエ藤本のおまかせセット 16,000円(送料無料)を見る...

「DOCGだから美味しい」は誤解?ソムリエが教えるイタリアワインの真実

「DOCGだから美味しいはず」と思って買ったワイン、正直ガッカリしたことありませんか? 実はこれ、ワイン選びで最もよくある誤解のひとつです。ソムリエ歴17年、年間1000本以上試飲してきた僕が、その真実をお話しします。 DOCGとは何か? DOCG(統制保証原産地呼称)はイタリアワインの最高格付けです。使えるブドウ品種、1ヘクタールあたりの収穫量、最低熟成期間——これらすべてをイタリア政府が法律で定め、厳格に審査した上で与えられます。 だから「品質の最低基準は保証されている」は本当のこと。でも、ここが落とし穴なんです。 DOCGは「品質の保証書」であって、「味の保証書」ではない。 同じDOCGでも、なぜこんなに違う? 同じキャンティ・クラッシコDOCGでも、2,000円台のものから1万円を超えるものまで存在します。同じ格付けでも、生産者の哲学・醸造設備・畑の管理方法で味わいはまったく別物になる。 まるで同じ名門大学を卒業しても、その後の人生で個性が分かれるのと一緒ですよね。 スーパータスカンが証明した「格付けが全てじゃない」という真実 僕が一番衝撃を受けたのが「スーパータスカン」の存在です。 サッシカイアやオルネッライアといったワインは、DOCGの規定外のブドウ品種(カベルネ・ソーヴィニヨンなど)を使ったため、当初の格付けはDOCGより3段階下の最低ランク、Vino da Tavola(テーブルワイン)でした。 それでも世界中のソムリエが「これが最高のイタリアワインだ」と認め、世界の名だたるワインを抑えました。格付けが低くても、世界の名だたるワインを抑えることができる——これがワインの面白さです。 ソムリエが教える賢いワインの選び方 じゃあ、どうやって選べばいいのか。17年間で学んだ答えはシンプルです。 ① 美味しいと思ったワインの生産者名を必ず控える 格付けより、自分が実際に感動した造り手を信頼する。これが最も確実な方法です。 ② その生産者の別のワインを試してみる 好きな造り手を見つけたら、その人が造る別のワインを試してみてください。同じ情熱と哲学で造られたワインは、きっとあなたの舌に合うはずです。 DOCGかどうかより、自分の舌を信じて好きな造り手を見つける方がずっと大事です。 🍷 あなた好みの一本を、ソムリエに任せてみませんか? 好きな造り手を見つける一番の近道は、プロに任せること。Vino dell'Amico店主・ソムリエ藤本が、あなたのために厳選したイタリアワインをお届けする「おまかせセット」をご用意しています。格付けではなく、本当に美味しいワインだけを詰め込みました。 ソムリエ藤本のおまかせセット 16,000円(送料無料)を見る...

【新登場】ソムリエ厳選ワインセット5種、販売スタートしました!

今月から、Vino dell'Amicoに新しいワインセットが5種類仲間入りしました。 「どれが合うか迷ってしまう」という方にも、「とにかく美味しいイタリアワインを飲んでみたい」という方にも、ぴったりな内容をソムリエが厳選しています。 今回はその5種を、ソムリエ藤本からのひとことと共にご紹介します。 SET A|イタリア泡ワイン 3本セット ¥17,040(税込・クール便代込み) フランチャコルタ2種 + クレマン・ド・ブルゴーニュ 乾杯のグラスを、少し特別なものにしたい日がある——そんな気持ちに応える3本です。シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造られるフランチャコルタを2スタイルで飲み比べ、さらにブルゴーニュの老舗家族ドメーヌが造るクレマンまで楽しめる贅沢なセット。 ソムリエ藤本より: フランチャコルタはシャンパーニュと同じ製法で造られる、イタリアが誇るスパークリングの聖地。同じ生産者のブリュットとサテンを飲み比べることで、スタイルの違いが体感できます。ルケのクレマンはシャルドネ100%で、シャンパーニュよりも親しみやすい味わいです。 含まれるワイン: フランチャコルタ ブリュット(コンタディ・カスタルディ):青りんご・白桃・レモンゼストの爽やかさ フランチャコルタ サテン(コンタディ・カスタルディ):シャルドネ100%、クリーミーで優しい泡 クレマン・ド・ブルゴーニュ(ルケ):シャルドネ100%、気軽に楽しめるフランスの泡 記念日にも、大切な人へのギフトにも間違いのない3本です。 → この商品を見る SET B|イタリア縦断 土着品種赤ワイン 3本セット ¥12,640(税込・クール便代込み) ネッビオーロ(北)・サンジョベーゼ(中)・アリアーニコ(南) ピエモンテからトスカーナ、バジリカータへ——イタリアを縦断する旅に出かけるように、3本を開けてみてください。どれもイタリアを代表する土着品種で、それぞれが生まれた土地の個性をそのまま映しています。 ソムリエ藤本より: 飲み比べても、日を変えて一本ずつ楽しんでも。イタリアワインの奥深さを、食卓で少しずつ知っていくための3本です。...

【新登場】ソムリエ厳選ワインセット5種、販売スタートしました!

今月から、Vino dell'Amicoに新しいワインセットが5種類仲間入りしました。 「どれが合うか迷ってしまう」という方にも、「とにかく美味しいイタリアワインを飲んでみたい」という方にも、ぴったりな内容をソムリエが厳選しています。 今回はその5種を、ソムリエ藤本からのひとことと共にご紹介します。 SET A|イタリア泡ワイン 3本セット ¥17,040(税込・クール便代込み) フランチャコルタ2種 + クレマン・ド・ブルゴーニュ 乾杯のグラスを、少し特別なものにしたい日がある——そんな気持ちに応える3本です。シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造られるフランチャコルタを2スタイルで飲み比べ、さらにブルゴーニュの老舗家族ドメーヌが造るクレマンまで楽しめる贅沢なセット。 ソムリエ藤本より: フランチャコルタはシャンパーニュと同じ製法で造られる、イタリアが誇るスパークリングの聖地。同じ生産者のブリュットとサテンを飲み比べることで、スタイルの違いが体感できます。ルケのクレマンはシャルドネ100%で、シャンパーニュよりも親しみやすい味わいです。 含まれるワイン: フランチャコルタ ブリュット(コンタディ・カスタルディ):青りんご・白桃・レモンゼストの爽やかさ フランチャコルタ サテン(コンタディ・カスタルディ):シャルドネ100%、クリーミーで優しい泡 クレマン・ド・ブルゴーニュ(ルケ):シャルドネ100%、気軽に楽しめるフランスの泡 記念日にも、大切な人へのギフトにも間違いのない3本です。 → この商品を見る SET B|イタリア縦断 土着品種赤ワイン 3本セット ¥12,640(税込・クール便代込み) ネッビオーロ(北)・サンジョベーゼ(中)・アリアーニコ(南) ピエモンテからトスカーナ、バジリカータへ——イタリアを縦断する旅に出かけるように、3本を開けてみてください。どれもイタリアを代表する土着品種で、それぞれが生まれた土地の個性をそのまま映しています。 ソムリエ藤本より: 飲み比べても、日を変えて一本ずつ楽しんでも。イタリアワインの奥深さを、食卓で少しずつ知っていくための3本です。...