ファタローネ プリミティーヴォ ジョイア・デル・コッレ 2024 ペアリング体験
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仕事柄、レストランでは「このお料理には、こちらのワインが…」なんて、もっともらしい顔をしてペアリングを提案している僕ですが。
家に帰れば、ただのワイン好きのおじさんです。
休日の夜、セラーから引っ張り出してきたのは、イタリア・プーリア州の赤ワイン。「ファタローネ プリミティーヴォ ジョイア・デル・コッレ 2024」。
オーガニックで丁寧に造られた、スミレ色がかった濃いルビーレッドの液体。グラスに注ぐと、ダークチェリーやプラムの香りがふわりと立ち上がり、スパイスやバルサミコのニュアンスが追いかけてきます。
「よし、こいつと数日かけてじっくり付き合ってみよう」
そう意気込んだものの、相手は家庭の冷蔵庫にあるあり合わせの料理たち。プロの意地(?)と、ただの食い意地が交差する、リアルなペアリング実験の記録です。
1日目:王道のローストポーク。悪くない、けど…

初日は手堅く、ローストポークを合わせてみました。
ワインの豊かな果実味と、豚肉の脂の甘み。うん、悪くない。普通に美味しいです。
でも、なんだかワインが「俺の方が強いぞ」と主張しているような。ローストポークの優しい味わいが、ワインの力強さに少し押され気味でした。
お店なら「ソースにもう少しコクとスパイスを足して…」とシェフに相談するところですが、ここは自宅。塩コショウでシンプルに焼いた肉を頬張りながら、「まあ、家飲みならこれでも十分か」と自分を納得させました。
相性:まずまず
2日目:味付けホルモンとゴロゴロ野菜炒め。そして訪れる悲劇

翌日。冷凍庫にストックしていた味付けホルモンと、野菜をフライパンへ。
「濃い味付けのホルモンなら、この力強い赤ワインに負けないはず」
そう踏んだ僕の予想は、見事に外れました。
ホルモンの独特の風味と、市販のタレの甘辛さ。それが、ワインの持つフレッシュなスパイス感やミネラルと、口の中で完全に喧嘩を始めました。
「お互いの良さを消し合う」とはまさにこのこと。ワインが急に鉄っぽく感じられ、ホルモンの脂っこさだけが口に残る。
プロのソムリエとしては大失態ですが、家飲みおじさんとしては「あー、やっちまった(笑)」で済むのが良いところ。ワインはワイン、ホルモンはホルモンとして、別々に美味しくいただきました。
相性:イマイチ…
3日目:キーマカレー。意外な伏兵の登場

気を取り直して3日目。メニューはスパイスを効かせたキーマカレーです。
「カレーにワインって難しいんだよな…」と思いつつ、グラスを傾けてみると。
…あれ? 合うぞ?
ワインの奥にあるコショウやスパイスのニュアンスが、カレーのスパイスと見事に手をつないでいる。そして、プリミティーヴォ特有の果実の甘みが、カレーの辛さを優しく包み込んでくれる。
「スパイシーな料理には、スパイシーな要素を持つ果実味豊かな赤」。教科書通りのペアリングが、まさか自宅のキーマカレーで体現できるとは。思わず一人でニヤリとしてしまいました。
相性:良い!
最終日:キャラメルチョコ&チョコアイス。至福の結末
そして、ワインも残りわずかとなった最終日の夜。
食後に何気なくつまんだキャラメルチョコレートと、冷凍庫にあったチョコレートアイスクリーム。
これを口に入れた後、残っていたワインを一口飲んだ瞬間。
……!!
これでした。今回のベストペアリングは、間違いなくこれ。
ワインの熟したベリーの風味と、チョコレートのカカオが溶け合う。キャラメルの香ばしさが、ワインの奥にあるトーストしたアーモンドのようなほろ苦さを完璧に引き立てる。
肉でもなく、カレーでもなく、食後のデザートが一番の相棒だったなんて。
相性:抜群!!
ワインは、もっと自由でいい
お店で完璧なマリアージュを楽しむのも素晴らしい体験です。でも、家で「これ、合うかな?」「うわ、失敗した!」と一喜一憂しながら飲むワインも、同じくらい豊かな時間をもたらしてくれます。
「ファタローネ プリミティーヴォ ジョイア・デル・コッレ」。
もしこのワインを手にする機会があれば、ぜひ食後のリラックスタイムに、お気に入りのチョコレートを用意してみてください。
プロの僕が、ホルモン炒めで失敗した末に見つけた、最高に幸せな組み合わせですから。