「今日は暑いから、ワインが安い」?アリゾナ発、気温がそのまま値段になるワイナリー
共有
今年の8月も、日本各地で厳しい暑さが続いていますね。
そんな中、思わず「へえ!」と声が出てしまうニュースをアメリカから見つけました。暑さを嫌うどころか、逆手に取ってしまったワイナリーのお話です。
「今日は暑いから、ワインが安い」が本当に起きている
アメリカ・アリゾナ州のAridus Wine Companyというワイナリーが、8月限定でユニークなプロモーションを行っています。
その名も、気温がそのままワインの値段になるセール。前日にフェニックス・スカイハーバー国際空港で観測された公式の最高気温(現地では華氏表示)の数値が、そのままワイン1ケース(12本)の価格(ドル)になるという仕組みです。摂氏に置き換えると、たとえば最高気温が約37℃の日は99ドル、約42℃の日は107ドルというイメージです。ワインクラブ会員でなくても、Willcox・Old Town Scottsdaleの2つのテイスティングルームで、赤・白を自由に組み合わせたケースを購入できます。
これは今年で3年連続の企画だそうで、創業者のScott Dahmer氏は「アリゾナの暑さを隠すのではなく、むしろ受け入れたかった。気温をチェックしながら、もっと暑くなれと応援するお客さんもいるんです」と語っています。
そもそもアリゾナは、どんなワイン産地なのか
アリゾナとワインと聞くと、意外な組み合わせに感じる方も多いかもしれません。実はその歴史は17世紀後半まで遡り、当時の宣教師がミサ用にぶどうを植えたのが始まりなのだそうです。ただ、その後の禁酒法の影響で一度は産業として途絶えてしまいました。
本格的に動き出したのは1970〜80年代から。今ではアメリカ政府から正式な「ワイン産地」として認められたエリアがいくつかあり、Aridus Wine Companyの畑がある「Willcox(ウィルコックス)」もそのひとつです。実はアリゾナ産ぶどうの約3分の2が、このWillcox地区で栽培されているのだとか。
この10年ほどで生産者の数も3倍近くに増え、ワイン専門誌で高評価を得る造り手も出てきました。カリフォルニアのような老舗産地と比べるとまだ規模は小さいですが、着実に注目を集めている新興産地なんです。
標高1,500mの砂漠が育てるワイン
Aridus Wine Companyが使うのは、Pearce近郊・標高約1,500mのChiricahua山麓にある自社畑(40エーカー)のぶどうのみ。栽培されている品種は、赤ならカベルネ・ソーヴィニヨンやマルベック、テンプラニーリョなど、白ならシャルドネやヴィオニエなど、実に幅広いラインナップです。
「暑い砂漠」と聞くと単調なイメージを持ってしまいますが、実際は標高の高さが夜間の気温をぐっと下げてくれるため、ぶどうがゆっくりと熟し、酸もしっかり残るのだそうです。砂漠の乾いた暑さと、山ならではの寒暖差。この組み合わせが、アリゾナならではの個性的なワインを生み出しています。
ソムリエとして感じたこと
このプロモーションを知って面白いなと思ったのは、単なる話題作りではなく、「アリゾナのワインをもっと知ってもらいたい」という狙いがはっきりしている点です。天気予報を見ながらワイナリーを応援する、なんて発想はなかなか出てきません。
ワインというと、格付けや歴史ある産地の話が中心になりがちですが、こんなふうに土地の個性を楽しく伝える工夫があってもいいんだなと、あらためて感じさせられるニュースでした。
この夏にぴったりのワインセットもご用意しています
暑い夏は、よく冷やした泡や白ワインが恋しくなりますよね。ちょうど今、数量限定でご用意しているセットをご紹介します。
数量限定1セットのみのご用意です。気になった方はお早めにチェックしてみてください。
おわりに
暑さを嫌うのではなく、むしろ楽しんでしまう。そんなアリゾナのワイナリーの発想から、今年の夏はいつもと違う視点でワインを選んでみるのも楽しいかもしれません。